知らなかったでは済まされない!中小企業に多い労務トラブルの落とし穴

知らなかったでは済まされない!中小企業に多い労務トラブルの落とし穴

「税金のことは顧問税理士に任せているから安心」――そう思っていませんか?実は、中小企業で最もトラブルが起きやすいのは労務管理です。税務調査以上に、労基署や年金事務所からの指摘が会社経営に直接打撃を与えるケースが増えています。

この記事では、経営者の方から実際に相談を受ける中で「意外と知られていない労務の落とし穴」を分かりやすく整理します。


36協定を提出していない会社は違法状態

残業をさせるには「36協定(時間外・休日労働に関する協定届)」を労働基準監督署へ届出する必要があります。

  • 届出をしていない
  • ひな形を提出しただけで更新していない
  • 内容を理解せずに放置している

こうした状態で残業をさせると労働基準法違反です。是正勧告や指導の対象となり、会社の信用低下につながります。

残業代の未払いは数百万円規模の請求に発展

「固定残業代を払っているから大丈夫」という油断は危険です。計算方法の誤りや、基礎賃金に含めるべき手当の除外が多く見られます。

  • 法定時間外(1日8時間・週40時間超):25%増し
  • 深夜(22時~翌5時):25%増し
  • 休日労働:35%以上増し

未払いが発覚すると過去3年分さかのぼって請求され、遅延利息を含めると数百万円規模になることもあります。

社会保険を「3か月後に加入」は誤り

よくある誤解が「試用期間が終わったら入れる」運用です。しかし、健康保険・厚生年金は入社日から加入が原則です。

未加入が発覚すると、数か月~最長2年分まで遡及して保険料を納付することになり、会社・従業員双方に大きな負担が生じます。

就業規則・有給休暇管理の不備

従業員が10人以上の会社は就業規則の作成・届出が義務です。「作っていない」「更新していない」状態は要注意です。

また、年5日の有給休暇取得義務が未対応の企業も目立ちます。こちらも罰則の対象になり得ます。

労務リスクは「税務リスク」以上に重い

  • 未払い残業代・社会保険料の一括支払い
  • 是正勧告・罰則によるダメージ
  • 信用失墜や採用難につながるリスク

一度に顕在化しやすく、経営の根幹を揺るがしかねません。

税理士としてできること・限界

給与計算や社会保険料の確認を通じて異常に気づくことがありますが、労務管理は本来社会保険労務士の専門分野です。税理士はリスクを指摘し、必要に応じて社労士と連携して解決に導きます。


チェックリスト(まずはここから)

  • 36協定は最新の内容で届出済みですか?
  • 残業代の計算基礎割増率は正しいですか?
  • 社会保険は入社日から加入していますか?
  • 就業規則と有給取得管理は整備・運用できていますか?

「うちは大丈夫かな?」と不安を感じられたら、早めに専門家へご相談ください。

ご相談・お問い合わせ:はるた会計事務所(TEL: 03-5342-5123 / Mail: info@harutakaikei.com)